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地元紙記者のジャーナリスト魂を見せた労作。来たるべき次の震災に備え一読の価値あり。

>全道停電まで緊迫の18分間 泊原発への電力供給維持に手を尽くす?
>9/13(木) 19:31配信 北海道新聞

>図)各地の病院の停電時刻。(泊に近い)倶知安、岩内は午前3時28分(まで供給維持)
>図)泊原発の位置に注目

>■病院の自家発電装置の記録から追跡           ←(注)地道な調査報道
>6日の胆振東部地震の発生直後に道内を襲った全域停電「ブラックアウト」。道内各地の
>病院に設置された自家発電装置の記録からそのメカニズムの一端が明らかになってきた。
>前代未聞の停電はどのように発生し、どのように広がったのか。北 海 道 電 力 が
>明 ら か に し な い 中地震発生からブラックアウトまでの18分間を追った。

>■自動で負荷遮断 北本連系線がフル稼働
>6日午前3時07分 最大震度7の激震が胆振管内厚真町を襲った。
>午前3時08分 厚真町内にある道内最大の火力発電所、苫東厚真火力発電所(3基=
>3号機は廃止)の2号機と4号機(合計出力130万キロワット)では、高温の水蒸気
>を運ぶ 細長い ボイラー管 が 縦 揺 れ に 耐 え き れ ず 損 傷 。
(注)プラントのこういう基本的な構造は「火力」に限った話ではない。つまり・・・
>直後に停止し北電は全道の電源の4割を一瞬にして失った。当時社員ら27人がいたが、
>ブラックアウトを防ぐため、手動でなく自動的に二つの作業が進んだ。
>一つが「負荷遮断」。ブラックアウトで道内の電源がゼロになると、発電機を動かすのに
>必要な電気もなくなり、復旧に時間がかかる。停止した電源に見合うだけの需要を一時
>的に切り離し、停電から回復しやすくしようとした。一瞬にして道北、函館などの地域
>の多くで停電。残されたのは札幌など道央が中心だった。
>午前3時11分 二つ目の自動システム「北本連系線」フル稼働。北海道と本州を結ぶ
>送電線で、どちらかの地域で需給バランスが崩れると、自動的に電気が送られる仕組み
>になっている。最大量である60万キロワットが本州から北海道に向けて送られ始めた。
>この時点で、道内の需給バランスは不安定ながらも、保つことができていた。

>■午前3時25分 北電「ブラックアウト」
>午前3時25分 苫東厚真火発で唯一運転を続けていた1号機(出力35万キロワット)
>の ボ イ ラ ー 管 損 傷 が 深 刻 化 。「穴が開いており何百度もの高温
>の水蒸気が噴き出し、すさまじい音だったに違いない」(東京工業大の 奈 良 林 直
>特任教授)と推測され、他の2基停止による電力の周波数低下にも耐えきれず自動停止。
注)こういう事実は「泊が稼動していれBAAA」とかいう世論エ作の非論理を暴露する。
>1号機停止で道内の他の発電所が連鎖的に停止。道内で電源が失われたため、本州から
>の送電もできなくなった。北電はこの時刻を「ブラックアウト」としている。

>■倶知安と岩内には午前3時28分まで電力供給
>午前3時28分 北 電 の 発 表 と は 異 な り、倶知安町と岩内町の病院
>ではこの時刻まで送電が続いた。送電線の先には 泊 原 子 力 発 電 所(泊村)
>があり常に冷却が必要な使用済み核燃料が大量に置かれている。北電は冷却を維持する
>ため、あらゆる手段で、電力供給を維持しようとしたようだ。同時刻に冷却用の非常用
>電源が動き始めている。
注)実感している国民はほとんどいないが、またもや首の皮一枚で助かっているんだよな。

北電は「泊の外部電源喪失」を本当に恐れたようだ。幸いにも非常用電源が起動したから
よかったものの、「泊には非常用発電機があるから大丈夫っしょ」とは思っていなかった。
今回の震災で「再稼動していなくてよかった」と思っているのは、他ならぬ北電だろう。