>>481 続き
第三に「石油の寿命はあと40年」と言われること自体です.石油を取り扱う会社はメジャーとかスーパーメジャーとか言われ、100年近い歴史を持ち、巨大な会社です.
その会社が取り扱うのが原油ですから、原油が40年で枯渇するということになると、今のメジャーが生き残るのはあと40年だけということになります.
もう少し厳密に考えると、残りがあと40年ということは2050年に石油が無くなることを意味していますが、
原油は「採掘しようと思ったら翌日からとれる」というものではなく、油田を発見してから、国の許可を得てアセスメントをはじめ、設計し、道路や港湾施設を作り、精製工場を建設して出荷するまで約30年かかります。
ということは「寿命が40年」ということはメジャーにとっては「10年の余裕」しかないことを示しています.
そんなことが無いのはすぐ判ります.寿命が40年というのはメジャーなどが持っている油田の容量を現在の消費量で除した数字ですから、もし40年なら大変なことになるのです.
むしろ「資源の寿命」は逆の傾向になります。本当に石油が40年と言うことになると、メジャーはあと10年分しか余裕がないので、急いで油田を探すでしょう.
すするとメジャーが持っている油田の容量が増えるので石油の寿命は増えます。
つまり、資源の寿命というのは「寿命が短くなると、返って長くなる」という変な関係になっているのです.1970年に石油があと40年と言い、それから40年後の2010年に石油があと43年と発表されたのはそのことです.