熱塩循環理論での欠けたピースと地震・火山活動

熱塩循環理論というのは、地層にある過去の記録と現在の海水の情報から導きだされた
深層海流の大きな循環の存在を明らかにした理論である
熱塩循環の存在は、現時点の海水における塩分濃度の分布およびリン酸スター
(リン酸と酸素の割合、詳細省略)の分布によりほぼ証明された状況

深層海水の供給源として北大西洋と南極における海水の沈み込みが確認されているが
海水が沈み込むことが局地的な表層海水と深層海水の攪拌になるのではなく
大きな流れとして成立するためには、もう一つ別の条件が必要となる
それは、深層海水から表層海水へ昇る流れである

この流れが安定して存在するために、深層に沈み込む海水の量に相当する
深層から表層へ向かう流れが必要になる
そして表層へ向かう流れは、深層海流の終着点である北太平洋に存在しなくてはならない

南極と北大西洋で冷やされて沈んだ海水が、表層へ浮かび上がる条件として
海底の地熱により海水が温められるため、と考えると対応も取れる
そして、北半球の太平洋周辺には火山帯が多く存在している
この配置で存在したからこそ、海底の大きな流れが成立したといえないだろうか

そして深層海流が停滞すると海底の熱を奪う力が弱まり、余った熱によって
マグマの温度が上昇、粘性が下がってマグマの移動が活発化する
マグマの供給が増えた火山では噴火活動が活発化し、地殻に含まれる水分の
温度が上昇すれば体積の膨張から地震が起こる

周期的な気温の上下を地球全体で見れば、大きな噴火活動が起きたとき
成層圏まで到達した火山灰が太陽光を遮って平均気温を下げる
温暖化が進むと極地の氷が溶けるか、氷ができにくくなり深層海流が停滞
深層海流の停滞は火山活動を活発化して噴火を引き起こし気温を下げる
そうして地表の気温は比較的狭い範囲に安定していたのではないだろうか

海水温が過去にないほど上昇しているいまの状況が続くと
そのうち過去にないレベルの巨大な火山噴火が起きることになるのではないか?