えびの高原硫黄山「噴火から2週間たってないのに…」警戒レベル引き下げ 2018年05月01日 15時07分@ハザードラボ
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先月、噴火が相次いだえびの高原硫黄山について、気象庁は1日、噴火警戒レベルを「2」に引き下げると発表した。

周辺では人体に有毒な高い濃度の硫化水素が検出されており、ふもとを流れる長江川が白濁するなどの影響が出ている。

宮崎県のえびの高原では先月19日に硫黄山が噴火し、26日には火口から離れた西側斜面の県道1号線付近でも小規模な噴火が発生した。

現在も活発な噴気活動が続いている。

気象庁は1日午後2時に警報を発表して、噴火警戒レベルを3から2に引き下げるとして、宮崎県のえびの市では引き続き火口周辺への警戒が必要だが、
小林市では特段警戒する必要がなくなったと述べた。

発表によると、硫黄山では今年3月ごろから山体の膨張を示す地殻変動が観測されていたが、4月19日の噴火以降は収縮に転じているという。

また地球観測衛星だいち2号がとらえたレーダー画像の分析でも、硫黄山周辺と西側の隆起が鈍化しているのが確認された。

気象庁はこのことから、警戒が必要な範囲は硫黄山から約1キロ範囲内と判断し、警戒レベルを火口周辺への立ち入りを禁止する2に引き下げた。

山頂火口では4月19日と同程度、あるいはややおきな噴火が発生して噴石が飛散するおそれがあるほか、西側約500メートル付近でも同様の
噴火によって火山灰が噴出する危険性が残っている。

宮崎県が先月20日?27日にかけて実施した火山ガス調査では、立ち入り規制区域と県道付近で高い濃度のガスが測定されているほか、
火口から噴出した高温の泥水が流れ込んで、ふもとを流れる沢の水が白濁し、環境基準を超える高濃度のヒ素やカドミウムなどの有害物資を
検出しているという。

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5月1日現在のえびの高原。硫黄山の西側斜面の県道近くでは活発な噴気があがっている(環境省インターネット自然研究所ライブカメラより)

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西側斜面の県道1号線付近では、活発な噴気が続いている。4月30日に撮影(気象庁)

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硫黄山周辺の沢では、熱泥が流れ込み白濁している(気象庁)