「県道横から立ち上る噴気」えびの高原・硫黄山「何年も入れなくなる可能性が…」火山学者が指摘 2018年04月23日 13時53分@ハザードラボ
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今月19日に250年ぶりに噴火したえびの高原・硫黄山では、噴火口から離れた西側の県道1号線付近からも新たな噴気が噴出するようになり、
勢いがますます増加している。

気象庁によると、えびの高原では宮崎県と鹿児島県霧島市を結ぶ県道1号線脇からも噴気が立ち上るようになった。

23日現在、噴気の勢いと量はますます増え、南側斜面の複数の火孔から立ち上る噴気と合わせて、高原全体に白いガスが立ち込めるようになってきた。

21日にヘリコプターで実施した上空からの観測では、県道のすぐ脇に地熱の高まりが見られ、噴気の噴出とともに、熱い泥水が流れ出した痕跡も確認された。

気象庁が20日に実施した空からの観測では、南側に点在する複数の火孔から噴煙が上がり、周辺では濃い灰色の熱泥が断続的に噴き出し、
火口内に飛び散っているのが確認された。

えびの高原は、世界で霧島にのみ自生するバラ科の「ノカイドウ」のほか、天然記念物に指定されているツツジの「ミヤマキリシマ」が見られる盆地状の高原で、
今月8日には山開きが行われたばかり。

本格的な観光シーズンを控えて、入山規制が続くなか、鹿児島大学の火山学者、井村隆介准教授は、「えびの高原は、
この先、何年も入れなくなる可能性がある」と懸念を示している。


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気象庁の火山監視カメラより現在のえびの高原

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宮崎県と鹿児島県霧島市を結ぶ県道1号線の脇から噴出した噴気。20日にはなかった(気象庁)

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上:19日の噴火口と、県道1号線付近の噴気との位置関係を示した地図(気象庁)
下:鹿児島大学井村准教授のツイートより(Ryusuke IMURA@tigers_1964)