山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長によるパワーハラスメント(パワハラ)問題で、飯塚博工学部長が昨年3月、同大職員組合から証拠画像などを受け取っていながら、小山清人学長らに報告していなかったことが4日、分かった。
組合は「隠蔽(いんぺい)だ」と対応を批判している。
組合によると飯塚学部長に提出したのは、センター長が被害職員に向けて「役立たず」「ボケが!!」などと記した書き置きや張り紙の画像、侮辱的な内容を記載したメールなどのコピー。
 
職員の一人が2016年9月、学内規程で定められた工学部のハラスメント相談窓口に改善を求めたのに何の対応も取られなかった上、雇い止めの通告を受けたため、学部長に実態を知らせる目的だった。
飯塚学部長は組合から資料を受け取ったことを認めている。一方、学長らに報告しなかった理由については「当初は被害の訴えではなく、あくまで相談だった。(3月時点では)パワハラも収まっていた」と説明。
「(工学部の)相談員には守秘義務があり、被害職員の意向にも沿って対応した」と話した。

資料提出後も工学部、大学ともにパワハラを認めなかったため、組合は昨年11月に書き置きなどの画像を公開。
批判の高まりを受けて大学は学内調査を実施し、今年6月にパワハラを認定、センター長を減給1万円の懲戒処分とした。
一連の問題で飯塚学部長、小山学長は自らの責任を明らかにしていない。