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森 達也1956年5月10日(61歳)
ドキュメンタリーディレクター、テレビ・ドキュメンタリー・ディレクター、ノンフィクション作家、明治大学特任教授

発言
『絶歌』について

神戸連続児童殺傷事件の加害者「元少年A」が出版した絶歌について、
被害者遺族が「手記を出版されたくない」と感じるのは当たり前だが
「出版をやめさせて本を回収すべきだ」という意見に対しては言論や表現を封殺してよいのかとの疑問を感じる。
論理も大事だと訴えたい。禁書や焚書を生む社会が個人に優しい社会とは思えない。
出版に際し遺族の了解を得るべきだったとの意見もあるが、「そうすべきだった」とは言いたくない。
遺族の事前了承を出版が必要とする社会ルールにすれば、加害者の経験や思いがブラックボックスに入ってしまう可能性がある。
「意味のある本だから出版されるべきだ」ではなく、「多くの人が納得できる意味づけがなければ出版されるべきではない」という空気が強まることが心配。

従軍慰安婦について

従軍慰安婦について、多くの韓国人女性が、自分たちは強制的に連行されたと訴えている。
ならば現場レベルでは(国家とか組織とか個人とか多少とか関係なく)絶対に強制はあった。
文書や資料が見つかっていないことだけを理由にして、国家は関与していないとか軍は組織的に関わっていないとの言説は成り立たない。