ホによる病人が「多発している」「していない」と
いう論争が最近もあったけど、これは今後も平行線
のままだと思う。人間の認識には「1/40の陥穽」
とでも言うべきバイアスがあるから。

世代や地域によって多少異なるかもしれないけど、
1クラス40人として、そのうち年に1人くらい、
不登校や退学、病気や自殺などでいなくなっても、
クラスは平常運転だろう。本人には重篤な問題でも
マジョリティから見れば他人事で片付ける発生頻度。

会社でもそうだろう。同期入社40人の中で年に1人
の頻度で過労やうつ、左遷や出向、リストラなどで
消えても、若いうちは「まさか自分が」と他人事。
しかし役員になるようなレアケースを除いて、定年
までに消えずにいられる自信があるかと問われれば?

統計学でも1/40はマジョリティから切り離すライン。
極端に高い値や低い値は外れ値として無視される。
正規分布では平均値±2σに約95%が集まるので、
これをマジョリティの統計として扱い、両端2.5%
は無視する。これは、上記のような1/40を無視する
人間の習性と符合している。

ヒバクの現状認識も、まさにこうしたものだろう。
最も重く顕著な症状を表わしている2.5%について、
特に意識してこれに着目する人々は重大視するけど、
意識していない大多数の人々は無意識に黙殺する。
その前者の危険厨の割合がこれまた2.5%程度なら、
こうした認識自体、社会的に存在しないことになる。