東北沖の地震 震災以降は「逆断層→正断層」に反転 震源特定
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福島県沖で22日に発生した地震について、東北大学と広島大学の研究チームは、震源となった活断層をほぼ特定し、2011年3月11日の前と後で、
「逆断層型」から「正断層型」へ発生メカニズムが変化した理由を突き止めた。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9)は、断層面に対して、二つの岩盤が押し合う(圧力)ことで、陸側の岩盤が海側
の岩盤に乗り上げるように動く「逆断層型」だった。

一方、22日に起きたM7.4の地震については、地殻変動の観測の結果、二つの岩盤が東西に引っ張り合う(張力)ことで、上側の岩盤がずり下がる
「正断層型」だったと考えられている。

東北大・災害科学国際研究所の遠田晋次教授らのチームは、水深・等深線データを元に作った海底地形図を分析。その結果、22日の地震を引き
起こした活断層は、2007年まで操業を続けていた海洋ガス田があった場所だと突き止めた。

研究チームによると、水深150メートルの海底下にあったガス田の真下には、北東方向に連なる逆断層があり、この断層の北東側に地震活動の痕跡
を物語る、高さ5?10メートルほどの崖を発見。活断層自体の構造は「逆断層型」だが、崖によってズレが発生し、力が働く方向が変わって「正断層型」
の動きが発生したと考えられるという。

遠田教授によると、以前から存在している断層が、従来とは正反対の動きをする現象は、「反転テクトニクス」と呼ばれていて、東北の内陸部の活断層
では、「正断層→逆断層」のパターンが見られるが、今回はその逆にあたるという。

http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/1/8/0/18009/ktsudanso.png
311以降の活断層の動きを東北大が分析(上は東北のプレート構造/国土地理院、下は活断層の種類による地震の違いを示した模式図/気象庁)

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2011年3月11日の東北太平洋沖地震発生以前と以後で、水平方向の地殻変動が反転しているのがわかる(上2点は国土地理院、下は22日に福島県
沖で発生したM7.4の震源と地殻変動の向きを示した図/東北大)

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22日の地震の震源海域にある活断層を示した立体地図(提供:東北大)