南米アンデスの高原に超巨大火山の噴火につながるマグマドームを発見
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/7/17576.html

南米アンデス山脈の山々の間に広がるアルティプラーノ高原で、マグマだまりが隆起してできた世界で2番目に大きな
ドーム状の地形を、米地質調査所(USGS)の研究グループが発見した。1000万年前の超巨大火山の噴火とも関係して
いる可能性があるという。

アルティプラーノ高原は、アンデス山脈の間に広がる標高4000メートル前後の平坦な高原地帯で、北部には世界最高
地にあるチチカカ湖があることで知られる。南米大陸の西側に沿って南北7500キロにわたって伸びるアンデス山脈は、
白亜紀以降、太平洋プレートとナスカプレートと南米大陸のプレートがぶつかり合って隆起してできたと考えられている。

今月25日に英科学誌『ネイチャー』に掲載されたUSGSの研究者、ジョナサン・パーキンス氏の論文によると、研究グル
ープは、ボリビアに近い中央アンデスで、標高1000メートルほどの高さに隆起した小高い丘を発見。地質調査の結果、
このドーム状の地形が、南米大陸のプレートを形成する源となった世界で2番目に大きなマグマだまりであることを突き
止めた。

パーキンス氏は「このマグマだまりは、1000万年前に出現した“超巨大火山”の形成に強く関係しているはずだ」と指摘。
超巨大火山とは、地下のマグマが一気に噴出する超ド級の火山で、別名「スーパーボルケーノ」と呼ばれる。

地球上にいくつかあるスーパーボルケーノのうち、最も有名なのは米ワイオミング州イエローストーン国立公園のイエロ
ーストーン火山だが、仮にこの火山が爆発的噴火を起こせば、東京都よりもはるかに広い面積の国立公園は跡形もなく
吹っ飛び、地球は火山灰に覆われて気温が下がり、生物は滅亡の危機に瀕すると言われている。

幸いなことに過去300万年間、アンデス山脈ではスーパーボルケーノが活動する兆候は見られないが、研究グループは
「このマグマだまりは現役であり、地殻変動など、何らかのきっかけがあれば、火山活動が再燃する可能性は否定でき
ない」と話している。


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2015年3月に噴火したアンデス山脈に連なるチリのビジャリカ火山(Zoe SperberさんTwitterアカウントより)

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アンデス山脈の山々の間に広がる標高4000メートル級のアルティプラーノ高原
(撮影:Claire POUTEAU, Clairette/Wikimedia Commons)

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研究グループはボリビアに近い中央アンデスのアルティプラーノ高原でマグマだまりによるドーム状の地形を発見。
黄色の破線で囲まれた領域に複数の火山があり、複数の黒丸はカルデラ地形(Natureの論文より)


2016年10月27日 15時27分