富士山火口跡市街地近くで確認
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/1045744671.html

およそ1500年前の富士山の噴火でできたとされる、富士吉田市の「雁ノ穴火口」について、県の研究機関による調査で、
市街地からおよそ3キロの地点で火口の跡が初めて確認されたことがわかりました。

この火口は、ハザードマップに反映されておらず、富士吉田市は関係機関と連携して対応を急ぎたいとしています。

これは、13日から富士吉田市で始まった日本火山学会で、山梨県富士山科学研究所のグループが発表したものです。

それによりますと、ことし7月に研究所が「雁ノ穴火口」の詳細な位置を特定しようと、地面を掘削して調査した結果、新た
に火口の跡が2か所見つかったということです。

火口の跡は、標高1050メートル付近にあり、長さが南北およそ450メートルであることも確認されたということです。
「雁ノ穴火口」は、富士山の北東側のふもと、富士吉田市の市街地からおよそ3キロに位置し、およそ1500年前に、
一帯の地面から溶岩が染み出す、「割れ目噴火」でできたとされています。

富士山の噴火に備えて、国と地元自治体では、12年前、およそ3200年前までの火口の位置をもとに「想定火口範囲」を
設定し、住民の避難に活用するためのハザードマップを作成しています。

しかし、当時の研究では「雁ノ穴火口」の噴火の時期は特定されていなかったため、現在のハザードマップには反映されて
いません。
調査を行った県富士山科学研究所の吉本充宏主任研究員は、「それぞれの噴火について詳しく知ることが、次の噴火に
備えてどういう対策をするかの基礎資料になり、それが防災にもつながっていく」と話していました。

富士吉田市の堀内茂市長は「ハザードマップを作り直す必要がある。

避難計画や避難地域が塗り替えられると思うので、住民や観光客にも、きちんと安全対策をとっていると明確に言える体制
を作っていかなければならない」と話していました。


10月13日 18時38分



10月13日 18時38分