阿蘇山の観測機器 一部でデータが正常に送られず
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160419/k10010488871000.html

気象庁によりますと、今月16日の未明に発生したマグニチュード7.3の大地震のあとから、阿蘇山の
中岳第一火口の周辺などに設置された一部の観測機器のデータが、正常に送られなくなっているとい
うことです。

データが正常に送られていないのは、19日午後3時現在で、火山性地震や微動を捉える地震計が6点
のうちの5点、地殻変動を観測する傾斜計が2点のうちの1点、GPSが4点のうちの2点で、噴火の際の
空気の振動を捉える空振計は2点すべてとなっています。

一方、熊本県南阿蘇村にある京都大学火山研究センターも、地震の揺れで建物に亀裂が入るなどして
職員が退避したあと、立ち入りができない状態となっていて、地震計の観測データが気象庁に送られな
い状態が続いているということです。

気象庁は現地に職員を派遣して復旧作業を進めていて、このうち地震計2点と傾斜計1点、それに空振
計1点については、20日までに復旧する予定ですが、すべての機器からデータが正常に送られるように
なるには、停電の復旧を待つ必要があり、見通しは立っていないということです。

一方、中岳第一火口の西およそ3キロに設置されている遠望カメラは、予備のバッテリーが作動し、停電
しているなかでも正常に運用されていて、これに加えて18日、火口から北東におよそ8キロ離れた阿蘇市
役所にもう1台、遠望カメラを臨時に設置したということです。

気象庁は、正常に作動している観測機器を使って火山活動の監視を続けるとともに、復旧作業を急ぐこと
にしています。


人が感じる観測方法も検討を
阿蘇山の観測体制について、火山噴火予知連絡会の副会長で京都大学の石原和弘名誉教授は「阿蘇山
は依然として火山活動が続いていて、今後さらに活発化する可能性があり、24時間態勢のリアルタイムで
の監視が必要だ。気象庁は関係機関とも協力しながら早急に復旧を進めてほしい」と話しています。

そのうえで、「現時点ではデータを正常に送れる観測機器の数が少ない。今後復旧が長引いた場合は、例
えば以前、測候所があったところなど、安全で山にできるだけ近い場所に職員を配置し、噴火に伴う振動や
音、臭いなどを人が感じて観測する方法を検討する必要がある」と話していました。

4月19日 17時02分



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