>>1 >63隠蔽、捏造された事実】
大手メディアが隠ぺいした「平成の巨大取り付け騒ぎ」の真相 金融危機 20年目の現実
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/217760
2017年11月16日 日刊ゲンダイ

1997年11月26日早朝、
大蔵省は記者会見を開き、「徳陽シティ銀行
(仙台拠点の地銀)が不良債権を抱えて
経営破綻した」と発表した。営業権は地元の
仙台銀行に譲渡することとなった。

北海道拓殖銀行、山一証券の自主廃業が報じられた4日後のことである。
このニュースが列島に与えたショックは、
大蔵省の予想をはるかに上回った。

その直後から、週刊誌などで“危ない”と
名指しされていた
全国の多数の銀行の支店前に、大勢の顧客が殺到。
預金を引き出すために列をなしたのだ。
当然、
新聞社、通信社、テレビ局は“各地の金融機関に
大行列”
の情報をつかんでいた。しかしどこも報じなかった。
「当局からの要請も談合もありません。
こちらとしては『抜かれる』のも『特オチ』
もいやなので、
各社のキャップの表情をそれとなく探った
覚えはあります。
ただ、当時はまだ『金融破綻を事前報道するのは
アリか』みたいな論争があった。
各社も相当悩んだと思います。
国民の不安をあおれば、市場は大混乱に
陥る恐れがあった。それを危惧して、
結局、どこも報じませんでしたね。
しばらくすると事態も収まりました」
(時事通信の大蔵省記者クラブのキャップだった同社解説委員の軽部謙介氏)

もし、一社でも報道をしていたら、
他社も競うように窓口に並ぶ人たちの姿をリポートしただろう。
それでまたほかの顧客が銀行に押し掛けて、取り付けが拡大――。
昭和恐慌をしのぐパニックが起きていたかもしれない。

「僕らの場合は通信社ですので、
書けばすぐに市場に流れます。マーケットは
大荒れになっていたかもしれませんね」(軽部氏)
今はネットで情報があっという間に拡散する時代。
情報のスピードは、97年と決定的に違う。
もし、
1997年11月26日と同じ事態が
起きれば、騒ぎを収拾させるのは困難ではないか。