東海地震で尽力 阿部教授死去
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035647111.html

日本を代表する地震と津波の研究者で、防災や情報伝達の仕組みづくりにも尽力した東京大学名誉教授の
阿部勝征さんが今月9日、亡くなりました。
72歳でした。
阿部さんは平成元年から平成19年まで東京大学地震研究所の教授を務めました。

この間、津波のメカニズムの解明に力を注ぎ、津波の広がり方から地震の規模を推定する「津波マグニチュード」
という計算手法を初めて提唱するなど、世界の研究者に影響を与えました。

また政府の地震調査委員会の委員長や中央防災会議の委員などを歴任したほか、気象庁の緊急地震速報の
実用化に向けた検討会で座長を務めるなど、防災や情報伝達の仕組み作りに尽力しました。

平成20年からことし3月まで、東海地震の判定会の会長を務めました。

阿部さんは2年前に肺がんと診断されて手術をし、体調は一時回復していたということですが、その後、がんが脳
に転移していたことがわかり、今月9日に亡くなりました。

静岡県が東海地震対策に力を入れ始めた約40年前から交流のあった県の元防災局長で常葉大学の客員研究員
の井野盛夫さんは「東海地震説が言われ始めてから、阿部先生とは一緒に仕事をしました。

行政の立場のことをよく理解して下さって、専門的な話を分かりやすく話して下さいました。お体が悪いという話は聞
いていましたが、我が国の地震学においても静岡県民においても大切な人を失ってしまったと感じています」と話し
ていました。


09月13日 19時41分