活断層の危険度示す方法見直し 4段階にランク分けへ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160819/k10010642801000.html

政府の地震調査研究推進本部は、全国の活断層の長期評価について、地震が発生する危険度を確率で示すこれまでの方法から、「S」や「A」などの
4段階に「ランク分け」して示す方法に見直すことを19日、正式に決めました。

政府の地震調査研究推進本部は、内陸や周辺の海域にある活断層のほか、日本海溝や南海トラフなどで発生する「海溝型地震」について、今後、
規模の大きな地震が起きる確率を公表しています。

しかし、周期的に発生する「海溝型地震」と違って、活断層の地震は発生間隔が数千年程度と長いため確率が大きな値にならず、このうち熊本地震を
引き起こしたとされる断層帯の一部の区間でも、地震の前、今後30年以内の発生確率が「ほぼ0%から0.9%」と評価され、危険性が正しく伝わらず、
かえって安心情報になったという指摘が出ていました。

これを受けて政府の地震調査研究推進本部は、19日に専門家などの委員会を開き、内陸や周辺の海域にある全国97の主要な活断層について、
大地震が発生する危険度を示す方法を見直すことを正式に決めました。

新しい方法では、危険度を4段階に「ランク分け」し、今後30年以内の発生確率が3%以上の活断層は最も危険度が高い「Sランク」、0.1%から3%
未満は危険度がやや高い「Aランク」とするとしています。

また、0.1%未満は「Zランク」、発生確率は不明なもののすぐに地震が起きることが否定できない活断層は「Xランク」とします。
地震調査研究推進本部は今後、ホームページなどで公表することにしています。

中島委員長「備えに活用を」
委員長を務める京都大学防災研究所の中島正愛教授は「今回のランク分けで、自分の地域にある活断層にどのくらいのリスクがあるか国民に理解して
もらい、建物の耐震化などの備えに活用してほしい。「S」や「A」ランクの活断層がある地域は、大地震が起きる可能性が高いということだが、それ以外の
ところでも地震は起きるので、そうした地域に暮らす人も、日ごろから防災対策を進めてほしい」と話しました。

「Sランク」の活断層は
97の主要な活断層のうち、最も危険度が高い「Sランク」には、全体のおよそ30%に当たる29の活断層が該当しています。

「Sランク」の活断層は次のとおりです。
・北海道の「サロベツ断層帯」
・北海道の「黒松内低地断層帯」
・山形県の「新庄盆地断層帯」の一部区間
・山形県の「山形盆地断層帯」の一部区間
・山形県の「庄内平野東縁断層帯」の一部区間
・新潟県の「櫛形山脈断層帯」
・新潟県の「高田平野断層帯」の一部区間
・新潟県の「十日町断層帯」の一部区間
・神奈川県と静岡県にある「塩沢断層帯」
・神奈川県の三浦半島と周辺の海域にある「三浦半島断層群」の一部区間