兵庫県赤穂市は「恐竜時代のカルデラにできた町だった!」産総研が解明
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/6/16201.html

『忠臣蔵』ゆかりの兵庫県赤穂市周辺の地質を調査していた産業技術総合研究所は、赤穂市は約8300万年前の恐竜時代に
発生した巨大噴火で生まれたカルデラの中にできた町だったことを突き止めた。

 産総研・地殻岩石研究グループの佐藤大介研究員らは、2011年から三年かけて、兵庫県と岡山県の県境に位置する「播州
(ばんしゅう)赤穂」で、堆積物の分布や種類を調べ、地層や岩石の年代測定を実施。

その結果、赤穂市を中心とするエリアは、後期白亜紀の火山活動でできた直径21キロに及ぶ巨大カルデラの中に、火砕流に
よる堆積物がたまって形成された地形であることが判明した。

 カルデラとは、噴火活動で大量のマグマが噴出することで陥没した地形のこと。播州赤穂の場合は、長年の風化や浸食に
よってカルデラの縁の部分は残っていないが、その直径から比較すると、国内最大級である熊本県の阿蘇カルデラ(最大直径
25キロ)や、桜島を形成する鹿児島県の姶良(あいら)カルデラに匹敵するという。

 調査チームは、今回発見したカルデラを「赤穂コールドロン」と命名。コールドロン内を埋める火砕流の堆積物は、厚さ700メー
トルを超えていて、カルデラが形成された後に地下から噴出した熱水やマグマの活動によってできた金やろう石などの鉱床がみ
られる。

 火山活動は今はないが、佐藤研究員らは、これまでほとんど調査されていなかった播州赤穂の知識が解明されたことで、新
たな鉱山開発に役立つ資料や、ジオパークなどの観光資源につながるとして、期待を寄せている。


赤穂市を中心とした「播州赤穂」エリアの地質図。実線がカルデラの縁にあたる(提供:産総研)
http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/1/6/2/16201/fig1.jpg