――対GDP比で、政府が高等教育にかけている予算をみると、


      日本はOECD諸国のなかでもダントツ最下位


です。
栗原:学費を値上げしていくと、このままでは大学に通えない人たちが出てくるのは政府もわかっていた。
だから、1980年代から建前では奨学金を拡充していきましょうと言われるようになり、
でもその拡充とは何かと言うと、有利子の奨学金を増やすことだった。
もともと、日本育英会(現、日本学生支援機構)には、無利子で貸し出す奨学金はあったけど、給付型の奨学金はなかったんです。
要するに、借金しかない。
「奨学金」と呼べるのは無利子のもののはずですが、そっちを広げるのではなくて、有利子の奨学金を増やした。
それが奨学金政策の実態です。

 本来の意味での「奨学金」が誕生する日はやって来るのだろうか。