保健所でのパワーハラスメント行為で部下2人を精神疾患に追い込んだとして、愛知県は2日、保健医療局の
課長級女性職員(57)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にしたと発表した。女性職員は県の聴取に応じず、
約2カ月の有給休暇をとって連絡が取れないという。

 県によると、女性職員は1〜5月、同じ保健所の50代男性職員2人に「さっさとくたばれ」と言って机を蹴った
り、決裁を頼まれても「もう来ないでください」と言って文書を放り投げたりする行為を繰り返し、2人とも5月
から休職している。処分理由には含まれないが、この直前に別の男性職員が「職場の人間関係に悩んでいる」と
話して退職したという。

 休職した2人から5月に相談があり、県が同保健所の全職員に聞き取りをした。6人にパワハラをした疑いがあり、
県は6月末から複数回、女性職員を本庁に呼んだが「行きたくない」などと応じず、7月12日から約2カ月間の有給休暇に入った。

 県人事課は呼び出しに応じないことも処分理由に含め、「ほかの都道府県などの事例に照らして総合的に判断、弁護士
とも相談した」と説明。大村秀章知事も2日の記者会見で「処分は事実関係に基づき客観的に決まった。今回はこういうこと」と
述べた。

 県職員からは「新型コロナウイルス対応で忙しい保健所の業務に影響を及ぼしている。こんな職員を放置していては、組織の
体をなさなくなる」と県の処分に非難の声が上がっている。