今年1〜5月までに新型コロナウイルス以外で亡くなった人を含めた国全体の死亡数は平年並みだったことが31日、
厚生労働省研究班の推計で分かった。

13都府県で平年を大きく上回ったが、下回る県も多く、国全体として平年を大きく上回る「超過死亡」は起きていなかった。

研究班は1〜4月までの死亡数の推計を7月末に公表。5都県で超過死亡が生じていたが、国全体としては平年並みとしていた。

新型コロナの感染を確認された死亡数は4月は391人で、5月は441人と増加した。
だが研究班の鈴木基・国立感染症研究所感染症疫学センター長は「欧米では新型コロナの流行で平年より死亡数が数万人も上回る国もあるが、
日本はそうした状況にはないようだ」と指摘している。

1〜5月までに超過死亡があった13都府県は、欧州の推計法では茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、富山、静岡、愛知、大阪、
奈良、徳島、福岡。米国の推計法では福岡は含まず、香川が超過していた。

研究班は2012年以降の死亡数と比較。1〜5月に統計的な誤差の範囲を超えた超過死亡数の合計は国全体で313〜208人。
平年比を上回った死亡数の合計は6547〜4322人だが国全体では誤差の範囲内だったという。

警察庁によると、4〜5月の緊急事態宣言中に交通事故死と自殺者は平年より減少しており、国全体の死亡数を減少させる影響があった。