「「率直に言って、事務総局には、いい人材を集めています。事務総局と、研修所の教官と、最高裁調査官、その三つは、いずれも一番いい人材を集めている。
その功罪は問われるでしょう。けれども、いい人材でないと、国会なんかはまだいいですが、大蔵省など行政官庁と折衝するときに、対等に折衝できないんです。裁判では、法服を着て、あそこへ座れば、当事者は言うことを聞くんです。
しかし、事務担当として司法行政をするにしても、法案を作る法制審議会の監事、あるいは監事の下請けをやるにしても、委員になるにしても、そういう後ろ盾はありません。
法務省との折衝、大蔵省との折衝、法制局との法案の折衝、国会との折衝等についても同様です。大体、そういうことのできる人は、裁判もできるんです」」