国税専門官採用者の諸君は、好むと好まざるとに関わらず「エリート」として社会的
に活躍することを期待されている。エリートは本来ラテン語で「神に選ばれしもの」
のことであるが、転じて、高度な専門教育を受け、特定の分野で役立つ人材を指す。
エリートの条件として、高度な専門性の他に、幅広い教養、高い道徳性(自己犠牲精
神)、リーダーシップ、優れたコミュニケーション、など、能力・人格ともスーパー
マンクラスの素養が求められている。そんな人いるのだろうか。いずれにしろ、この
ような定義は、定性的で、エリートを目指せ、と言われても、高尚すぎて具体的にど
うして良いのかわからない(と、私は常々感じておった)。ここでは、素養などの個
々人の内的条件ではなく、より計量化しやすい社会的外部条件により、エリートを単
純に再定義することによって、国税専門官採用者の目標設定の一助になることを目指
したものである。