ブルーギル、陛下に贈られた15匹の子孫証明

 ブルーギルは体長10〜20センチの北米原産の淡水魚。主に肉食で、繁殖力が強い。
河村准教授らは、生態系を脅かすブルーギル駆除のため、遺伝子の特徴を調べるよう水産庁から依頼を受け、
全都道府県の56地点で計1398匹、原産地・米国の13地点で計319匹を採取し、ミトコンドリアDNAの塩基配列を解析した。

 その結果、国内で採取したすべてのブルーギルの塩基配列が、
1960年に陛下に贈られたブルーギルの捕獲地・アイオワ州グッテンベルグの1地点で採取したものと、完全に一致したそうなんだ。

ブルーギルは陛下の帰国と同便で持ち帰られ、食料増産を図る目的で、水産庁淡水区水産研究所が繁殖を試みた。
その後、滋賀県と大阪府の試験場に数千匹が分け与えられたほか、本州や四国、九州の湖に放流されたが、
食用としては定着せず、繁殖しながら分布域を広げていった。
河村准教授によると、現在、全国での


      生息数は数億匹


に上るとみられる。
大繁殖の結果、琵琶湖ではニゴロブナなどの漁獲量が激減したという。