【地震台風】気象庁職員専用スレッド29【不倫変態】
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が色んな意味で面白かったので、コピペしとく。
◎国民への情報提供をはばむ気象業務法の壁
中国地方を中心に約200名の死者を出し、復旧に数か月を要するという鉄道・道路を
はじめとして深刻な物的被害をもたらした平成30年7月豪雨。特に、7月6日から
8日にかけては、11府県を対象に続々と特別警報が発表されるという、まさに歴史的な
異常事態だった。しかし、その異常事態が国民にリアルタイムに伝わっていたのかに
ついては、9日には菅官房長官が大雨特別警報の発表方法を見直す考えを表明するなど、
疑問の声もある。この疑問を追っていくと、気象庁から国民への情報提供を制限する、
意外な法律の壁が見えてきた。
◯ツイッターは気象情報発表の手段ではない
気象庁は、7月6日から8日にかけて、次々と特別警報を発表した。特別警報と
いえば、「発表されたら、ただちに地元市町村の避難情報に従うなど、適切な行動を
とってください」(気象庁ホームページ)とまでいわれるほど、国民への伝達には
一刻を争う情報。ならば、気象庁としては、あらゆるルートで、できるだけ早く特別
警報を伝える努力をしているはず。ところが、当日の気象庁の動きを追っていくと、
奇妙な事実が浮かび上がってきたのだ。
7月6日
福岡・佐賀・長崎 特別警報発表 17:10、公式ツイッター 18:30
岡山 特別警報発表 19:39、公式ツイッター 20:56
広島・鳥取 特別警報発表 19:40、公式ツイッター 20:56
京都・兵庫 特別警報発表 22:50、公式ツイッター 24:10
7月7日
岐阜 特別警報発表 12:50、公式ツイッター 14:13
7月8日
高知・愛媛 特別警報発表 5:50、公式ツイッター 7:27 なんと、特別警報の発表からツイッターでの告知まで、最短でも1時間16分、最長で
1時間37分もの遅れが生じている。そのツイートも、「記者会見を開催して、大雨に
最大級の警戒を呼びかけました」という、なんとも歯切れの悪い言い回しだ。人命を
守るために一刻を争う情報のはずなのに、この遅さと他人事のような扱いは何なのか。
まず、筆者の地元の気象台に話を聞いてみた。
「気象庁は、ツイッターを特別警報などの防災気象情報の発表手段として位置づけて
いません」
そう言って応対してくれた職員が見せてくれたのは、気象庁がツイッターを始めたと
きに決定した「気象庁ツイッター公式アカウント運用指針」という文書。そこには
「下記に該当する報道発表を投稿する」として「災害への警戒を呼びかけるもの」が
掲げられている。しかし、これはあくまでも「報道発表をしました」というお知らせ
だ。
「報道発表をしたことのお知らせなので、気象庁からの発表を受けてテレビ画面に
テロップが入ったり、マスコミ向けの解説のための記者会見が行われたりしたあと、
さらに10分とか20分といった時間を空けてからツイートする、というルールになって
います」
つまり、特別警報・警報・注意報そのものを、発表と同時に「災害への警戒を呼び
かけ」として投稿することは絶対にないという。なるほど、気象庁公式アカウント
(@JMA_kishou)のプロフィールに「警報などの防災気象情報は発信しません」と
書いてあるのは、このルールのことだったのか。でも、どうしてそんなルールが?
「気象業務法の縛りだと聞いていますが、気象業務法について部外者に詳しい話をする
ことはできないんです」
この職員によると、4年前の機関紙に、日本気象協会が昭和32年に解説書を出版して
から気象業務法の解釈は更新されていない、とする元長官執筆の記事があったという。
それ以来、気象庁内では、部外者に対して気象業務法の説明をしない、特に60年前には
存在しなかったツイッターやインターネットが絡むようなことがらには触れないという
忖度がはたらいているという。 ○電気通信事業者は報道機関ではない
気象庁から事情を聞くのは、これで手詰まりになってしまった。しかし、法律には、
それを使って規制をする側である国と、規制される側である民間がある。そこで、民間
気象会社W社のP氏に話を聞きに行っ た。
「気象庁が特別警報などの気象情報の発表に ツイッターを使えないことには、気象業務
法にはっきりとした根拠があります。まず、こちらの条文を見てください」
P氏が教えてくれたのは、気象業務法の第11条と第13条第3項。それぞれ、「気象
(中略)の観測の成果並びに気象(中略)に関する情報」と「予報事項及び警報事項」
を「放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関の協力」を求めて公衆に周知させる
よう努力することを気象庁に求める条文だ。
「この条文に出てくる『報道機関』については、10年前に気象庁みずからその意味を
明言しています」
そういってP氏がデスク上のパソコンから業界団体「気象振興協議会」の会員専用
ホームページを開いて見せてくれたのが、2008年1月の会合の会議録だ。そこには、
気象庁の「企画調整官」の発言として「携帯電話は通信事業なので対象ではない」
という一文があった。しかし、これがツイッターとどんな関係が?
「ツイッター社自体は電気通信事業者ではありませんが、電気通信事業者の通信
サービスがなければ情報をいっさい流通させることができない、完全な下流側の事業者
です。上流側の電気通信事業者が気象業務法の『報道機関』に該当しないのなら、
その下流側でしかないツイッター社が気象業務法にいう『報道機関』に該当する余地は
ありません」
なるほど。気象庁が「報道機関」ではないツイッター社に、ツイートというかたちで
気象情報を預けることによって発表に協力させると、法律に根拠のないことをする
体裁になるので不適切、時間を遅らせて報道発表の紹介というかたちでツイートする
しかないという理屈だ。 しかし、W社から帰って、改めて気象庁ホームページを眺めていると、「緊急速報
メール」というサービスが紹介されている。これは、特別警報や津波警報、緊急地震
速報の通知を、一般には「エリアメール」として知られる「基地局放送(CBS)」
という技術を使って、対象地域の全ての携帯電話に割り込ませるもの。これは、携帯
キャリア3社、つまり電気通信事業者を気象庁が「報道機関」として扱って、気象情報
の発表に協力させていることになるのでは?
「緊急速報メールの法律上の根拠は、テレビやラジオで天気予報が流れるのとは違うん
ですよ」
こちらの質問にこう答えたのは、ある携帯キャリアで防災を担当しているQ氏だ。
気象庁との契約書そのものは見せてもらえなかったが、緊急速報メールは、気象庁の
ではなく、自治体の業務から派生したサービスだというのだ。
「2013年に気象業務法が改正されて、特別警報が始まりました。この改正で新たに
作られた第15条の2は、市町村長に、住民などに特別警報を周知するという新たな
義務を課しています。しかし、市町村が住民に何かを速報する手段というと、せいぜい
防災無線のスピーカーと選挙やイベントのときにつかう宣伝カーくらいです」
メール配信サービスという手段もあるが、住民に申込手続きをしてもらわなければ
ならないうえに、すぐに読んでもらえるとは限らない。ならばエリアメールの配信を
携帯キャリアに頼んで地域まるごと即座に情報を行き渡らせてはどうか、となる。
「しかし、契約を維持するだけの財政基盤がない市町村も多いですし、我々としても
市町村ごとに千数百件もの似たような契約を結ぶのは煩雑で、間違いも起きかね
ません。そこで、気象庁がみずからの業務のためではなく、市町村の義務を肩代わり
するかたちで『緊急速報メール』を一括契約して、市町村はその利用を呼びかければ
気象業務法の義務を果たしたことにする、ということになったんですよ」 特別警報にあたるとは限らない津波警報と緊急地震速報も緊急速報メールのメニュー
に入っているのは、これらが秒単位を争う緊急性の高い情報なので、例外的に民間気象
会社や放送局の了解を得ているのだそうだ。そういえば、W社で見せてもらった議事録
の議題は、緊急地震速報をエリアメールで配信することについて業界団体の理解を
求めたものだった。
◯気象業務法は領土問題も国民から遠ざけている?
取材の最後に、テレビの気象情報番組の制作スタッフをしているV氏を訪ねて、P氏と
Q氏に聞いた内容を確認してもらった。補足するなら放送局や新聞社は気象業務法が
制定されたときからある「報道機関」なので、気象庁から優先的に提供された気象情報
をホームページにのせることで、ウェブサービスの分野でもツイッターなど既存の
報道機関と提携していない新しいサービス提供者より優位に立てることくらいかな、
と話したあとで、V氏はこう切り出した。
「気象業務法といえば、よく『気象庁は北方領土や竹島や尖閣諸島の天気予報をやれ』
という声があるけど、実は1993年に改正された気象業務法がネックになっていて、
気象庁はそういう細かい地域の予報には参入できないんだよ(※)」
V氏が教えてくれたのは、1992年の気象審議会答申第18号「社会の高度情報化に適合
する気象サービスのあり方について」と、1993年に気象業務法が改正されたときの国会
の議事録だ。前者は気象庁ホームページが開設される前の資料ということもあって、
長らくネット上では見られなかったが、今年4月に民間サイトで公開されたという。
「ほら、答申では『これからの気象事業における民間の役割』として『局地的な天気
予測』が宣言されてる。これをきっかけにした気象業務法の改正の議論でも、局地的な
天気予報は民間の専売特許、という説明が繰り返されて、そのまま法律になったんだ」 ここで「局地的」というのは、当時、気象庁内で検討が進められていて1997年から
実施された「一次細分区域」という予報区よりも細かい、市町村程度の広さのことだ
そうだ。ちなみに、「一次細分区域」は、例えば離島以外の東京都には「23区東部」
「23区西部」「多摩北部」「多摩南部」「多摩西部」の5つしか設定されていない
という粗っぽい区分だ。
「竹島は島根県隠岐の島町のごく一部、尖閣諸島も沖縄県石垣市のごく一部だから、
いまの気象業務法に従うかぎり、気象庁が予報に手を出してはいけない局地ということ
になる。北方領土には根室市の一部と4つの町と6つの村があるけど、ここの予報を
出すために気象庁が予報区を分割すると、やはり局地だということになって、気象
業務法に反することになる」
つまり、局地予報という「民間気象会社の固有の領土」を守るための法律が、日本が
「わが国の固有の領土」を主張するさまたげになっているという皮肉な状態だ。思い
返してみると、気象庁が特別警報の発表を直接的にはツイートできないとする気象業務
法のしばりも、「旧来のメディアの固有の領土」を守るかのように存在していると
いえなくもない。
気象庁では、現在、2030年の科学技術を見据えた気象業務のあり方について交通
政策審議会に諮問していて、8月には答申を得る予定だという。はたして、今回の取材
で見えてきたような、そしてほかにもあるかもしれない法律の問題点にも踏み込んだ
内容は盛り込まれるのだろうか。平成30年7月豪雨のほとぼりが冷めないうちに、
政治にも関心を持ってもらいたい問題だ。
(※)注意報・警報(特別警報も)は、防災行政の最小単位が市町村とされていること
にあわせて、2010年から市町村単位で発表されている ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています