◆理不尽な上司の数は中央官僚も顔負け

「ウチには『これまで俺の部下で◯人自殺したヤツがいるんだぜ!』と武勇伝のように自慢してくる、人格が崩壊した管理職がいます」

 苦々しい顔でこう語るのは、都庁職員の黒沢亮さん(仮名・38歳)だ。

「議会対応という名目で夜間残業を強いられるのですが、延々とやらされるのは『てにをは』などの文書の修正。
しかも、ちょっとした文書表現のミスでも『緊張感が足りない!』と怒鳴り散らされることも珍しくありません」

 度重なるパワハラで鬱状態に陥り、自殺に追い込まれた同僚もいるという。さらに黒沢さんを襲ったのは、理不尽な“役所の論理”だった。

「ある日、小池都政のスローガンである『自律的改革』が課され、残業を大幅に減らそうと、上司から業務効率化のためのマニュアル作りを迫られました。
そのために夜な夜な残業を強いられ……。残業を減らすための取り組みで逆に残業が増える羽目になるとは。どうせこれも徒労に終わるし、ふざけんなって感じですよ」

 ある地方の県庁で働く佐藤実さん(仮名・35歳)は数年前、国体開催の準備のために設立された特別部署に勤務していた。

「立ち上げから人員が少なく、毎日が目まぐるしく忙しかったです。帰宅は連日午前様。そのまま1年半ほどたったある日、嫁が『育児や家のこと、全然してくれないね』と、子供を連れて実家に帰ってしまいました」

 東北の県庁で働く新谷光男さん(仮名・42歳)も過酷な日々を振り返る。

「毎日22時までの残業は当たり前。終電がなく、猛吹雪の夜に1時間かけて家まで歩いたところ、38℃の高熱が出たこともありました。そんなときも上司はわれ関せずで、“通常運転”でした」

 地方も、地獄絵図だらけなのか。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180520-01472100-sspa-soci