「うつ」は病気か甘えか。無意味な問いだという人もいるだろう。なぜなら、答えは決まっているからだ。「うつ病は病気です。甘えや心の弱さではありません」。
精神科医から繰り返されるメッセージ。100%正しい答えだ。それなのに今さら何だ。無理解きわまりない問いではないか。禁じられた問いだと言う人もいるだろう。
なぜなら、時代に逆行しているからだ。本音の問いだと言う人もいるだろう。なぜなら、禁句とは本音の別名だからだ。いま、うつ病が急増している。「うつ」は日常
語になった。そして『「うつ」は病気か甘えか』は、本音の問いになった。なぜなら、答えがわからなくなっているからだ。「うつ」と言っている人、「うつ」と言われてい
る人が、本当に病気なのか、本当は病気でない人なのか、その区別は難しい。色んな人が混じっている。たくさんの色のビーズがいりまじっているようである。
では、真の「うつ」はいったい何いろだったのか、それもわからない。そもそも「うつ病とは何か」わからない。本音の中から禁句の要素を取り省けば、そこに残るの
は本質を直撃する問いである。今まさに追究しなければならない問いである。だからこそそれに迫る。「うつ」は病気か甘えか。