職員が自損事故を起こして道路の縁石かなんかを少々傷つけて
しまったらしく、次長(総括)が事故を起こした部下を烈火の如
く怒っていた。聞きたくなくとも職場に全体に響くように指導
?しているのだ。厳しい人だと思った。道路の管理者に連絡を
取って現場を見てもらい、問題ないとの了承を得ているにもか
かわらずだ。

それからしばらく経ってある日、その次長(総括)が速度超過の
交通違反を起こしたらしいことを他の管理職から聞いた。愕然
とした。あれだけ部下の事故に厳しくあたっていた人だ。これ
は、職場で土下座するぐらいの勢いで次長(総括)の反省の弁が
出るものと思っていた。また、事故を起こして厳しく指導して
いた部下にも謝罪の言葉があるのだろうと思っていた。

予想は裏切られた。次長(総括)はダンマリを決め込み、自分で
その交通違反に触れることはなかった。厳しく指導された職員
に何か言うこともなかった。大概の他人に厳しい人は自分には
優しく、己のことは棚に上げるという面を知った。