柏市教委
いじめ報告書を未公表 市議会が対応追及
https://mainichi.jp/articles/20180915/k00/00e/040/219000c

 柏市の市立中学校で2015年3月、校舎から転落して重体となった女子生徒について
市教委が「いじめを受けていた」とする報告書を作成していたことが明らかとなり、14
日、市議会で内容を公表してこなかった市教委の対応が追及された。また、別の文書には
「担任教諭の処分を保護者に説明する必要がある」とも書かれていたが、実際には人事権
がある県教委による処分がなされなかったことも判明した。【橋本利昭】

 市議会一般質問で末永康文市議が、この問題を取り上げた。末永市議は「市教委はプラ
イバシーの問題といって(報告書の内容を)隠すのではなく、きちんと公開することで、
いじめをしてはいけないということを明らかにしていくべきだ」とただした。これに対し、
河嶌貞教育長は「情報共有を第一に対応に当たっていきたい」と述べるにとどまった。
 毎日新聞が情報公開請求で入手した報告書からは、いじめに対する学校側の感度の低さ
が読み取れる。担任教諭は、女子生徒や保護者から相談があったにもかかわらず、いじめ
と認識しなかった。学年主任や生徒指導主任も「いじめに組織的対応の中心となる職務に
あるという認識が不十分」と指摘され、校長についても「発生まで何も把握していなかっ
た」とされている。また、いじめの有無を生徒に書いてもらう学期ごとの定例アンケート
も実施していたが、管理職は、担当職員から口頭による報告のみをもとに、いじめの件数
をゼロと認識していたという。
 また、報告書とともに開示された文書には、「相手方(転落した生徒側)に説明する必
要がある」として、項目の一つに「担任教諭の処分」と記していた。だが、市教委による
と、県教委にも報告書を提出したものの実際には処分はなされなかったという。