参考までに、「他局ではやってくれた」が通用しない代表例としては、登記名義人や被相続人の住所が、住民票や戸籍の附票でつながらなかった場合が挙げられる。

その場合、登記済証があれば、原本と写しを添付することによって対応されることに異論を唱える局はないとは思う。
しかし、それに加えて、改製前の戸籍の附票や、不在住証明書・不在籍証明書まで求めるかというと、登記官(というより局)次第になるのは否なめない。
そこには、「申請人(代理人)としてやるべき調査を尽くしたことを証明させるべき」という考えと、「申請人(代理人)にあまり負担をかけるべきではない」という考えがあるからね。
どちらも間違いとはいえない。

被相続人の同一性を証する書面のケースにおいても、死亡時の本籍が一致していれば良いとする局もあれば、不動産取得時の本籍が一致していなければダメとする局もある。
極端な局になると、固定資産税評価証明書上の住所が登記簿上の住所と一致していれば良いとするところもある。

それぞれ登記官個人で決めることはなく、局内で意思統一して処理していることだから、どうしても補正・取下されずに却下され、審査請求になった場合に対抗できるだけの理論武装は、局側もしているものなんだよ。
だから、「○○局でやってくれた」というのは全く反論にならない。
一担当者としてもいい加減統一できそうなところは統一しろと思うことは確かだけどね。
ただ、俺は登記官なんだ、すごいんだ!みたいな勘違い野郎どもが根強く反論しているから、長年状況が変わらないままなんだけどね。