なぜ日本の財政赤字が減らないか、について考えてみましょう。

たとえば、日本政府が10兆円必要だとしましょう。
そうすると日本銀行は、日本政府から国債を購入し、政府の口座に10兆円を振り込みます。
この10兆円は誰かの口座から借りてきて振り込んだお金ではありません。
日本銀行が何か実物的な資産を提供しているわけでもありません。
ただ、日本政府の口座に10兆円と記入するだけです。
日本銀行は口座に数字を記入するという行為だけで"無"から10兆円を創造するのです。
そして、政府は10兆円を受け取り、公共事業等の出費として社会に10兆円が流れていきます。
 
さて、政府は時が来たら返済時に利子をつけて返さなければなりません。
仮に利子をつけて10兆5000億円を返済するとしましょう。
日本政府は国民から税金を集め、10兆5000億円を返済しなければなりません。
しかし、世の中に出回っているお金は10兆円。5000億円足りません。
政府が10兆5000億円を返済するには、新しく国債を発行し、世の中に流し、回収するしかありません。

一度、財政規律を踏み外した政府の借金が規則的なリズムで大きくなっていく理由がここにあります。