また、IAEAが1999年に発表した「海洋への放射性廃棄
物処理の調査」(Inventory of radioactive waste disposals
at sea)によると、海洋投棄された放射能は、最初の報告で
ある1946年から1993年までの48年間に14ヵ国、80ヵ所
で、合計約85,000TBqである(ATOMICAデータ「原
子力潜水艦による海洋汚染 <01-08-01-20>」参照のこと)。
 1993年2月に、ロシア政府は国際的合意に反し、旧ソ連
がバレンツ海やカラ海の北洋海域及び日本海などに、液体・
固体の放射性廃棄物を長年にわたって海洋投棄していた事実
を発表した。この「放射性廃棄物海洋投棄問題政府委員会報
告書」によれば、1959年以来、投棄された海域は、バレンツ
・カラ両海域で13ヵ所、極東が日本海、オホーツク海、カム
チャッカ半島沖の太平洋の3海域で、原子力潜水艦の原子炉
隔壁、燃料を含む原子炉及び放射性廃棄物をロシア海軍が投
棄した。この海洋投棄は、国際海事機関(IMO)や国際原子
力機関(IAEA)にも報告されなかった。海洋環境に投棄さ
れた放射性廃棄物を正確に確定することは困難だが、その総
量は投棄時点で2,159TBqを超えたと推定されている。
 以上が外国の海洋投棄の実績であるが、日本における海洋
投棄処分の実績はない。