2020年6月20日 / 07:15 / 11時間前更新
焦点:有権者を逆なでするトランプ氏、岩盤支持の福音派も離反か
James Oliphant Chris Kahn Jeff Mason
https://jp.reuters.com/article/analysis-trump-election-idJPKBN23Q165
プロフットボールNFLや、米国最大の自動車レースを主催する全米自動車競争協会(NASCAR)は、世論の風向きがあ
っという間に変わったことを真摯(しんし)に受け止め、選手からの人種差別に対する抗議にも耳を傾けている。ブランドに人種
差別的な要素があると批判された企業も、すかさず対応に乗り出した。

ところが3月以降のロイター/イプソス調査を分析すると、トランプ氏は、新型コロナウイルス感染のパンデミック(大流行)や
警察改革など米国民がいま重視する問題で、多数意見の逆に動いている。そのためか、さまざまな層の有権者はもちろん、
農村部などの住民や白人のキリスト教福音派といった、本来トランプ氏への忠誠心が最も強いグループでも、継続的に
同氏の支持率が低下しつつある。

直近の支持率を見ると、バイデン氏のトランプ氏に対するリードは13%ポイントと、今年に入って民主党の候補指名争いが始ま
って以来、最大になった。郊外の住民や無党派層、高所得層などがバイデン氏を大きく後押ししている。伝統的に共和党びい
きの男性、郊外に住む女性、55歳より上の中高年といったグループさえも、最近ではバイデン氏に支持が流れているもようだ。


トランプ陣営は世論調査結果に反応を見せていないが、トランプ氏はツイッターで、自分は米国の価値観に寄り添っており、
自分の支持者は「サイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)」に属していると主張した。サイレント・マジョリティーは、ベトナ
ム戦争で社会がやはり騒然としていた約50年前、当時の共和党のニクソン大統領が演説で持ち出して有名になった表現だ。