外国人新資格「特定技能」認定進まず 半年で400人弱
政府、受け入れ拡大へ中国・タイと協力
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政府は当初、初年度に約4万人を想定したが現状はほど遠い。一因が企業側の対応の遅れだ。政府は特定技能外国人の
待遇を「日本人と同等以上の報酬額」と規定した。だが実質的に単純労働を担ってきた技能実習生は、同一職場の日本人より
安く雇われてきた。
 飲食店出店支援を手がけ、特定技能人材をベトナムで養成する店舗流通ネット(東京・港)の担当者は「特に地方の中小企業
で日本人と同等との条件に戸惑いがある」と話す。「月収15万円で受け入れたい」との声もあるという。
 大企業の取り組みもこれから。介護大手セントケア・ホールディングは20年から特定技能人材を雇う計画で、音声入力で
介護記録を残すシステムの開発や通訳の雇用も検討する。担当者は「コストや手間を考えたらやっていけないが(人手不足の)
先を見据え挑戦せざるを得ない」という。
 送り出す側の対応も遅れている。

 入管庁の佐々木長官は9月27日時点で申請手続き中の人数と国内外の試験合格者数をそれぞれ2千人超と明かした。
「特定技能外国人は今後着実に増加する」との見通しも示した。申請に対する許可は同日時点で国内外で376件。受け入れが
進まない状況を「まだ試験を実施していない国も分野もあり、制度が複雑でわかりづらいなどの指摘もある」と認め、
「入管庁としても努力をし環境を整えたい」とした。