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多数の難民を受け入れたスウェーデンがいま、痛感している「寛容さの限界」
ジェームズ・トラウブ(ジャーナリスト)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/11/post-97522.php
<人道的見地から難民・移民を受け入れてきたスウェーデン社会が、財政負担と治安の悪化で右傾化へ舵を切る>

その後スウェーデン人は学んだ。最も慈悲深い国でさえ、人助けには限度があることを。ここ数年、この国は犯罪の急増に
頭を抱えている。スウェーデン国家犯罪防止評議会の報告書によれば、この国では過去20年で銃による殺傷事件の発生率が
ヨーロッパ最低レベルから最高レベルに増え、今ではイタリアや東ヨーロッパ諸国より高くなっている。

北アフリカからの移民2世が中心メンバーのギャング団が密輸などで手広く稼ぐようにもなった。

クルド系経済学者のティノ・サナンダジは著書で、「長期服役者の53%、失業者の58%が外国生まれで、国家の福祉予算の
65%を受給しているのも外国生まれの人々」だと指摘している。さらに「スウェーデンの子供の貧困の77%は外国にルーツを
持つ世帯に起因し、公共の場での銃撃事件の容疑者の90%は移民系」だという。

アメリカは1924年に外国生まれの市民が人口の約15%に達した時点で、移民に対して事実上、門を閉ざした。スウェーデンでは
現在、移民が全人口の20%を占め、労働移住や家族の呼び寄せで年間約10万人(人口の約1%)のペースで増え続けている。

彼らの大多数は、スウェーデンと全く異なる社会──より教育水準が低く、より世俗的ではない社会──から来た。こうした変化
に対し、スウェーデンは「死」を選ばず、生き残るために大切な価値観を変えたのだ。