埼玉・川口の異郷(前編)−キューポラのある街の頃から時代映す外国人の町
サンデー毎日(2020/08/30), 頁:32
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ttps://mainichi.jp/sunday/articles/20200818/org/00m/040/006000d

クルド人がトルコを離れる理由

 クルド人が埼玉県に多く移り住むようになったきっかけは、トルコ当局によるクルド人に対する弾圧が
激化したことだ。

 そのうち数百人が川口市一帯に逃れて来た。トルコ国籍のクルド人が日本を安住の地として選んだこと
には理由がある。日本とトルコの両政府は「査証免除取極」を結び、双方の国籍を持つ人は査証(ビザ)
を得ることなく、3カ月以内の観光旅行や出張ができる。トルコ国籍を持つ人にとって、日本はビザが
なくても入国できる数少ない先進国だったのだ。今もこの状況は変わっていない。
 入口のハードルの低さが決め手になって、トルコで迫害を受けたクルド人の間で「とりあえず日本を
目指す」という風潮ができた。松澤さんは、その一部が「イラン国籍のクルド人を頼って川口市にたどり
着いた」と解釈している。