ドイツの「失敗移民政策」の轍を踏まないために日本がいますべきこと
移民・難民問題を甘く見てはいけない
川口 マーン 惠美
ttps://gendai.ismedia.jp/articles/-/68796
ドイツにはレバノンの組織犯罪グループが多い。1980年代、ドイツはレバノン内戦を逃れてきた難民を多く受け入れたが、
その一部が、マフィアのような血族集団的な暴力団となった。ミリ・ファミリーも、1980年代に出来た犯罪組織の一つで、
現在は、約30の同族ファミリー、計2600人のメンバーで成り立っているという。

今のドイツでは「移民」という言葉でひとくくりにされる彼らだが、仕事はプロで、ビジネスライク。下手に告発しても、
裁判になれば検察が負ける可能性も高いという。

結局、誰も触りたがらないまま、ドイツ政府はその状態を40年間も放置してきたため、ドイツでは一部の都市の片隅に
“no go area”というべき、警察も足を踏み入れたがらない地区ができた。だから、そんな犯罪組織のボス、ミリを
母国送還したというのは、ドイツの検察にとっては久々の快挙のはずだった。

ところが、ミリは10月にまた古巣のブレーメンにいることが分かった。入国禁止となっていたはずなのに、難なく戻って
きていたのだ。

ドイツ政府は、現在、シリアで 拘束されているドイツ国籍のISテロリストたちの引き取りも迫られている。彼らは、法律上は
ドイツ人だが、移民として入ったアラブ人、あるいは、その子供たちが多い。

ただ、ドイツに帰化している以上、彼らの引き取りに関しては、もちろんドイツが責任を持たなければならない。最初は、
子供と女性だけを引き取っていたドイツだが、まもなく「戦士たち」の帰還も始まる。

今月、『移民・難民 ドイツ・ヨーロッパの現実 2011-2019』を上梓した。

移民 難民 ドイツ・ヨーロッパの現実2011-2019 世界〜安全で親切な国日本がEUの轍を踏まないために〜
https://good-books.co.jp/books/imin-nanmin2011-2019/