週刊金曜日 1255号 (2019年11月01日発売)
■政治時評 西谷玲
菅原経産相の辞任は菅帝国崩壊の序章?
ttp://www.kinyobi.co.jp/tokushu/docs/1255.pdf
 そもそも菅原氏の起用は菅義偉官房長官の強い意向だった。今回の組閣は非常に菅カラーの強いものと
なっている。

 故小此木彦三郎通産(現、経産)相の秘書からたたき上げた菅氏は、今や自民党では珍しくなった縁の下の
力持ち、黒衣役を好むタイプだ。裏の交渉や根回しを得意とする。自らも認めているように、良くも悪くも明確な
国家観やビジョンもない。その場その場の部分最適、対症療法にあたるタイプで、後から全体を眺めてみると
ちぐはぐなものになる。
 良い例が労働力不足に対応するための入管法改正だ。これからの日本の社会像や移民政策をどう考えるの
かの議論もないまま、外国人労働者を増やそうと1年もかけずに法改正をしてしまった。