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この20年、アメリカの歴代4つの政権は、何を目的に現地で戦ってきたのでしょうか?

アメリカの中枢を襲った同時多発テロ事件を国際テロ組織アルカイダによる犯行と断定した当時のブッシュ政権は、アフガニスタンを実効支配していたタリバンが、アルカイダを匿っているとして兵力を展開し、いったんはタリバンを駆逐しました。

“テロとの戦い”の名のもとにアメリカ本土への脅威を取り除く。そうした当初の目標は政府軍や警察の育成、女性の人権尊重、公正な選挙の実施、民主的な国づくり支援など、次第に多岐にわたります。その結果、目標が曖昧になったことが、駐留が長びく原因のひとつになりました。

オバマ政権は兵力を大幅に増派。当時の副大統領だったバイデン氏は反対していました。隣国パキスタンに逃れたアルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者も殺害しました。
ただ、アフガニスタンが再びテロの温床と化す恐れから、撤退には踏み切れませんでした。「アメリカは目標を見失い、泥沼に引き込まれ、勝てない戦争を戦っているのではないか」そうした危惧をバイデン氏は当時も抱いていたと関係者は語ります。

アメリカ国内に厭戦気運が広がる中、トランプ政権は、アフガニスタン政府の反対を押し切るかたちでタリバンとの交渉に乗り出し、出口を模索します。
その流れを引き継ぐ形で、バイデン政権は、軍事作戦にようやく終止符を打ちました。