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他方で、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンは、NYタイムスで連載中のコラムでAOCの発した富
裕層課税について触れ、「オカシオ・コルテスの提案はクレイジーに聞こえるだろうが、著名なエコノミスト達の真面
目な研究とも完全に一致している。 米国では少なくとも73%、おそらく80%以上の富裕層税が適正だろう」と擁
護。映画監督のマイケル・ムーアも、「誰がトランプをぶっ潰せるかって? 現在の民主党の大統領候補にはいな
い。オカシオ-コルテスが立候補すべきだろう。彼女がこの民主党進歩派の運動のリーダーだってことは誰もがわか
っている。トランプを支持する視聴者の多いFOXの世論調査でさえ、富裕層の税率を70%に上げようという彼女
の主張を、実に70%もの人が支持したんだ」とTV番組で声高に叫んだ。

 しかし、パウエルら批判者、クルーグマンら擁護者の双方いずれもが、MMTの呈する理論を代弁できているとは言
えないだろう。MMTの真髄は、赤字財政であっても野放図に支出しても良いとするものでもなければ、富裕層に対
する課税を強化しようというものでもないのだ。どのような理由でAOCは「財政赤字は良いことだ」と語ったのだろう。

 AOCの師・米大統領候補サンダースの設立したサンダース・インスティテュート。その経済政策担当で、サンダース自
身と民主党上院予算委員会の経済顧問も務めた、NY州立ストーニーブルック大教授のステファニー・ケルトンは語る。

MMTは、異なった経済や貨幣制度を調査するためのレンズのようなものです。
アメリカ、イギリス、カナダや日本を見て、これらの国々は独立した主権国家で不換紙幣と呼ばれるものを使用してい
るという意味で似ています。
自国通貨を発行できる国は、請求書が払えなくなるような状況に陥ることはありません。