「平和自動車総合会社」は2002年4月から北朝鮮の南浦工業団地で自動車の組み立てを行っており、宣伝用看板は平壌市内でも見ることができる。
社長の朴相権は、1952年生まれで「2075双」と統一内部で呼ばれる合同結婚式に参加した。この指定がなぜ重要かといえば、統一教会から北朝鮮
への送金ルートとして「平和自動車総合会社」が最大の比重を占めているからである。送金責任者のHは、慶応大学文学部を卒業し
(卒論テーマは「紫式部」)、1975年の合同結婚式に出席(「1800双」)した古参幹部で、1982年から香港で暮らしている。
北朝鮮への送金のための会社は「GBL」といい、北朝鮮への振込口座は中国の瀋陽にある「平和自動車」だ。日本からの送金は韓国第一銀行を通して行っている。
そこに「朝鮮リョンボン総合会社」が複雑に関わっている。統一教会から北朝鮮への送金ルートはほかにも2つある。ひとつは平壌で経営するポトンガンホテルで
働いている従業員の人数を水増しして「給与」を送る方法であり、もうひとつは信者の定州ツアーである。それらに比べて「平和自動車総合会社」を通じての送金が比較にならないほど大きい。
金融制裁はそこにくさびを打ちこむものである。
安倍晋三は北朝鮮への強行姿勢ゆえに、祖父の岸信介や父の安倍晋太郎が親密だった統一教会に対し、距離を置くだけではなく厳しい対応を取っているのである。