森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★日本は人手不足ではない
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 経済学では、人手が不足するということは、理論的にあり得ない。不足が発生すれば、賃金が上昇して、
働きたい人が増えて、需給のバランスがとれるからだ。
 人手が足りないと言っている経営者の本音は、いまの賃金では、十分な人手が確保できないということなのだ。
それでは、いまの単純労働者の賃金は、果たして妥当なものなのだろうか。
 労働政策研究・研修機構が発表している今年の各国の最低賃金を現時点の為替レートで円換算すると、
日本の848円に対して、アメリカ823円、イギリス1133円、ドイツ1135円、フランス1269円となっている。
つまり、日本の最低賃金は米国と同水準で、欧州は、日本の3割から5割増しなのだ。

 私は、外国人労働者の受け入れをする前に、まず国内で、先進国並みの最低賃金を支払うように変えるべき
だと思う。そうすれば、高齢者も女性もニートも、働く人が増えるだろう。介護の分野でも、資格を持ちながら
介護現場で働いていない介護福祉士は約62万人も存在している。
(続く)