【日曜講座 少子高齢時代】外国人労働者の拡大、本当に日本は救われるのか 論説委員・河合雅司
https://www.sankei.com/column/news/181021/clm1810210007-n1.html
 というのも、在留資格は2段階方式となっている。1号のうち難しい日本語と熟練した技能を身に付けた人は「特定技能2号」に
移行できるようにするが、2号には定期的な審査はあるものの、家族の帯同を含めた事実上の永住を認めるからである。
 多産文化の国から来た人が永住権を持つとなれば、母国から大人数の家族を呼び寄せるケースも想定される。単純労働の
解禁だけでも方針の大転換だが、永住権まで認める道を開くということは、この国の形を根本から変え得る可能性すらある。
 こんな政策の大転換を、多くの国民が十分理解しないまま矢継ぎ早に決めてしまう姿勢に“危うさ”を感じる人も少なくないだろう。
与党内にも慎重論が出ている。

 外国人労働者は短期的な人手不足対策には有効であったとしても、中長期には「不安定さ」がついて回り、社会保障など予期
せぬコスト増にもつながる。
 外国人の受け入れ拡大は本当に日本を救うのか。外国人頼みではなく、むしろ長期的視野に立って「人口減少に耐えうる社会」
へと作り替えを急ぐほうが賢明だ。
 「戦略的に縮む」努力を放棄した時点で、日本は衰退の道を歩み始める。