(グローバルウオッチ)新中華街 新たな共生の道
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 芝園団地は40年前の1978年に建築された。15棟があり約2450世帯、4750人ほどが暮らす。17年、中国人の住民が全体の半分を
超えた。団地の自治会によると、IT(情報技術)会社に勤める30代男性の中国人が目立ち、両親を招き一緒に暮らす例も多いという。
団地内には中国人の子どもを預かる保育園もあり、団地の貼り紙も日本語と中国語で表記される。
 川口市では、ここ十年ほどで急速に中国人の住民が増えている。今年4月時点の中国籍住民は1万9719人。市の人口の3%強を
占める。ベトナムや韓国籍の住民もいるが、中国籍の住民が圧倒的に多い。芝園団地のほかに、市内を通過するJR京浜東北線の
西川口駅や川口駅の周辺に暮らすケースが目立つ。

 川口市で中国人の住民が増えた背景の一つは、家賃が相対的に安い点がある。西川口駅周辺は風俗店が多かったが、埼玉県警
が摘発を進めた結果、06年ごろから空きビルが目立つようになった。周辺の家賃水準は下がり中国人が集まって暮らすようになった。
 一方、芝園団地でも住民の高齢化が進み空き室が目立つようになり、入居に際して保証人などは不要で国籍の制限は無いといった
利点が中国人の間で口コミで広がっていった。西川口駅などからはJR池袋駅や上野駅まで電車で20分前後と交通の便が良いことも
支持されているようだ。
(続く)