英総選挙、EU離脱で対立 労働者票の取り込み焦点
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16596990Z10C17A5FF1000/
2017/5/19 1:20

 【ハリファクス(英中部)=小滝麻理子】6月8日の英国総選挙に向けた主要政党の政権公約(マニフェスト)が18日出そろった。
 メイ首相率いる保守党は欧州連合(EU)単一市場からの撤退や厳しい移民制限など「強硬離脱」を掲げ、
 離脱支持者を幅広く取り込む考え。一方、最大野党労働党はEUとの融和路線を強調した。
 選挙戦では優位を保つ保守党が、野党の支持基盤をどれだけ切り崩せるかが焦点だ。

 メイ氏は同日、労働党の地盤である中部ハリファクスでマニフェストを発表した。
 メイ氏はあえてこの地を発表の場に選び、EU離脱への強い姿勢で労働党から票を奪う戦略をにじませた。

 メイ氏は英国がEU離脱交渉や社会の分断など5つの課題に直面していると指摘。
 「これまで以上に強く安定した指導力が必要だ」と訴えた。

 EU離脱では「国民は中途半端な状態は望んでいない」と、
 ヒト・モノ・サービスの自由な行き来を定める単一市場や関税同盟から撤退する方針を改めて表明。
 EUとの将来の貿易協定締結に向けて最善を尽くすが、条件が悪い場合は「合意なし」に離脱する方が良いとの立場も明示した。

 現状で年間30万人規模に上る移民の純増数を10万人未満に抑える前政権からの公約を維持することも表明。
 具体策として移民を雇用する企業への金銭的な負担増など厳しい措置を盛り込んだ。