トランプを支える「バノン」の危険すぎる正体
極右メディアのドンが吠え始めた
瀧口 範子 :ジャーナリスト 2016年11月27日
http://toyokeizai.net/articles/-/146406
「俺は国粋主義者、それも経済国粋主義者だ。グローバリストらのせいで、米国の
労働階級が骨抜きにされ、代わりにアジアで中流階級を生み出した」「トランプは、
60%の白人、40%の黒人とヒスパニック層から支持を得た。今後、50年にわたって
統治する」「われわれは、トランプムーブメントを始める。共和党のエスタブリッシュ
メントも撃ち倒す」「1兆ドルのインフラ事業を推進するのは、俺だ」――。

極右メディア元会長の多彩な経歴
ニューヨーク・タイムズ紙はバノンについて、「国粋主義的、人種差別主義者、女性
蔑視派、外国人嫌い、反ユダヤ」と説明している。トランプが選挙活動中に口にし
てきた数々の暴言が、そのままあてはまる。トランプへの同氏の影響力、あるいは同
調がいや応なく感じられるところだ。

バノンは、過去にゴールドマン・サックスに在籍し、極右メディア「ブライトバート・ニュー
ス・ネットワーク」元会長と説明されることが多いが、その経歴は実に多彩だ。

1953年、バージニア州ノーフォーク生まれ。生まれたのは、アイルランド系のブルーカラ
ーで、ケネディ派の民主党支持者の家庭だった。高校卒業まもなく海軍に入隊、4年
間を主にペルシァ湾の海上で過ごし、その後、ペンタゴンの海軍指揮官の特別補佐
を務めた。海軍在籍中にバージニア工科大学に通い、ジョージタウン大学で国防学
の修士号を取得。ただし、同氏の経歴はここから多岐に広がっていく。