>>591
 80 年代ごろから,日本に謝罪と反省を求める反日組織というのが,中国
や韓国,あるいはアメリカに生まれました。例えば,昨今の慰安婦像をカリ
フォルニア州などアメリカに各地に設置する運動をしている在米中国人によ
る「抗日連合会」というのがあるのですけれども,この抗日連合会ができた
のも,このころです。アイリス・チャンに『レイプ・オブ・南京』を執筆さ
せたのも,この抗日連合会です。あと,ドイツのジョン・ラーベの日記を発
掘し,映画を作らせ,ドイツを「南京大虐殺」キャンペーンに巻き込んだの
も,彼らが支援をしたためという話もあります。こういう形で,世界で反日
国際ネットワークができてくるのです。
 90 年代に入って本格的に,慰安婦と南京のキャンペーンが始まります。
今日は慰安婦の問題を話すのが中心ではないので省きますけれども,どうも
このころから,反日ネットワークといいますか,反日の活動というのが活発
に行われるようになったのです。日本では,家永さんの教科書検定の裁判を
支援する運動とか,ピースボートの運動というものがあって,そういったも
のと世界の反日国際ネットワークが連動するような形で始まります。現在も
これがノーマンを再評価する形,一種の日本を悪玉にするという日本悪玉論
というのが世界で広がっているのではないかと思います。今でもその中心な
のが,ダワー教授たちではないかと思います。この 5 月にもジョン・ダワー
教授は「日本は行き過ぎた愛国主義の存在がある。そのため,アジアに対し
て反省できない。だからもっと真摯に,もう一度向かうべきだ」ということ
をおっしゃっています。加害者責任をもう一度,戦後 70 年に感じ取って,
日本はもっともっと反省しなくてはいけないということを言っています。
 残念ながらノーマン理論が元になって,今も日本を弱体化させるという動
きが世界で広がっているということが,私は非常に残念です。