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 ●トランプ叩きに通じる安倍叩き
キンモンス氏は20年間にわたり、「外国人が想像する日本」についての調査、研究を行ってきたが、
中野論文は、外国人読者に対し、安心して日本に反論できる論拠を与えることが出来るし、主として
アメリカ人に対しては日本に対する優越感を与える効用があるという。

 英文報道の見出し風にいえば、「日本のコロナウイルスへの対応には欠陥がある。だが、効果をあげて
いる」ということだろうか。ところがNYTでは、このような報道は見たことがない。日本で感染者が増え始めた
1月中旬以来、NYTのモトコ・リッチ東京支局長は繰り返し日本の検査体制の問題点をあげつらい、まるで
日本が破局の寸前にあるような印象を与えてきた。
 本来ならば、リッチ支局長は今、「なぜ日本は自粛要請だけで最悪の危機を回避できたのか」という
分析記事を書くべきではないか。にもかかわらず、リッチ氏が書いているのは、お得意の「日本における
家事分担の男女間不平等問題」であり、そうすることによって読者に対し、再び対日優越感を抱かせるの
である。

 ●五輪エンブレムに新型コロナ模す
 中野教授も、NYT編集者も、なぜアメリカの読者に無関係な、偏った文章を載せる必要があったのか。
NYTについていえば、反日編集の偏りは社の骨格であり、人種偏見すら感じさせる。上からの目線で、
陳腐な記事を繰り返し書く人物を東京支局長に据えること自体、NYTの日本、日本人に対する偏見を
表している。キンモンス氏の見方は正鵠を射ている。
 キンモンス氏はさらに中野教授に対しても、イギリスやアメリカに留学体験があるなら、英語を母国語に
する人々、とりわけエリートたちに見られる文化的な差別意識に気付くべきであると手厳しく批判している。
にもかかわらず、中野氏も他の日本人も、そして日本の企業や団体も、NYTを購読し、広告を掲載して
同紙への支持を続けているとするキンモンス名誉教授の指摘は日本人の覚醒を促している。
 日本や日本人に対する、欧米の左派、リベラルに共通する文化優越意識は、別の問題にも表れる。