>>343
>戦争で肉親が死んで、うれしいわけがないだろ、そんな事もわからないのか?

宗教学者・高神覚昇は1942年刊行の「靖国の精神」でこう書いている。

ーー引用ーー
靖国の精神は、戦争の時に、兵隊さんだけが持つ精神ではない。それは戦時にも平時にも、
日本人のすべてが、何人もひとしく堅持すべき日本精神なのである。では、その靖国の精神を
発揮するには、どうすればよいか。結局それは、次の言葉につきるとおもふ。国家のためには
悦んで血を流せ。社会のためには悦んで涙を流せ。自分のためには悦んで汗を流せ。
(中略)
子供が、夫が、立派に御奉公申し上げることができたと喜ぶのと、折角大事に育てた子供を、
御国のためとはいへ、不幸にも亡くしてしまったと悲しむのとは、非常に心持ちが違うと思ひます。
喜ぶのも、悲しむのも、つまりは自分の心の持ちやうです。いったい自分のものだと思っている財産も、
実は自分のものではありません。みんな国家のものです。いや、財産ばかりではない。この身体も、
生命も、みんな上御一人からお預かりしているのです。だから、いざといふ場合、立派にお役に立つ
やうに、ふだんから大切にせねばならぬわけです。遺家族の方々は、このたび大切に育てた倅、
大切に仕えた夫を、潔く醜の御楯として捧げられたのです。陛下からお預かりになっていたものを
御返しになったのです。しかも、その息子、その夫は、いまや靖国の神と祀られ、いついつまでも、
上、陛下の御親拝を仰ぎ、下、国民からは護国の忠霊として、仰がれるのです。男子の本懐これに
過ぐるものはないと存じます。
普通に死んだのでは、同情こそせられ、決して尊敬され、感謝せられることはありません。
遺家族の方々は、君国にわが身を捧げた息子のお蔭で、夫のお蔭で、見ず知らずの人々から、非常な
感謝と尊敬を受けられているのです。
ーー引用終わりーー(高橋哲哉「靖国問題」(ちくま新書)P49-51)