(つづき)
「韓国の歴史教科書には、"日本に○○を伝えてあげた"の記述が、そこかしこにあります。その背景にあるのは、"優れた文化や技術を後進国の日本に教えてあげた"という"恩着せ史観"です」(前出の研究者)

時事通信社のソウル特派員を務めたベストセラー『悪韓論』の筆者、室谷克実(むろたにかつみ)氏が言う。

「歴史的事実を完全に無視しています。たとえば、第1回朝鮮通信使(1429年)の報告が載っている『朝鮮王朝実録』には、通信使たちが日本の優れた技術に驚嘆している様が、微細に描かれています」

特に朝鮮通信使が感嘆したのは、揚水水車の技術だったという。通常、水車といえば足踏み式。ところが当時の日本では、流れる水を動力源として、水を自動的にくみ上げるタイプの水車(これを揚水水車という)を完成させていた。

「帰国後、通信使は作り方を学ばせ、国王には模型まで提出し、揚水水車の導入を進言していますが、最後まで作ることはできませんでした」(同)

何のことはない、事実は"真逆"だったのだ。