台湾の統一地方選挙の結果に愕然、唖然とし、怒りを通り越して、深く失望している。
中国が台湾のこの選挙に深く介入していることはアメリカも指摘していたし、中国資本の
多いマスコミの弊害も以前から言われてはいたが、台湾人が、中国との統一を目論む
国民党を選ぶはずがないと心の中で油断していた。恐らく、蔡英文総統をはじめとする
民進党、そして、その支持者の中にも同様の油断があったと思われる。

 なぜなら、台湾人が戒厳令下で自由を奪われ、弾圧されて生きていたのは
ついこの前のことで、解放されてからまだ30数年しか経っていないからだ。
戦後やってきた中国国民党によって数万人を超える台湾人が虐殺された。
逮捕され、長期刑に処せられた人も数知れない。被害に遭わなかった人でも、
家族や知人など身近にそうした例は多く、いつ自分の身にそのような不幸が
降りかかるかと不安を覚えながら生きていた。その記憶はまだ薄れていない。
だから、やっと手に入れた自由と人権を、台湾人が易々と国民党の手に渡すはずが
ないと思っていた。

しかも、今や、国民党は以前かぶっていた化けの皮をかなぐり捨て、「中国との統一」
を望んでいることを隠そうともしない。高雄の選挙戦でもそれは明らかであった。
今の中国と一緒になることは、何を意味するのか。それは、自由で民主的な社会を捨て、
共産党の一党独裁の支配下に入ることである。
今、中国に支配されている諸民族がどれだけ苦しみ、その圧政、弾圧、人権侵害から
逃れたいと願っているかを台湾人は知らないのか? 
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