フランスの出生数回復の分解
http://crossacross.org/ky/?Parents+of+newborns+in+France
移民の影響

 フランスの出生率の回復は移民によるものか?という議論がある。一つの見方は、移民の出生率は高いというデータに基づき
移民が増えるほど出生率が上がって見えるというものである*1。それに対して、移民の出生率が高くとも総数はさほどでもないので
寄与度は低い、とする意見である*2*3。
 これらの意見のいずれが正しいかを確かめるため、2010年のフランスの出生統計のデータ*4を参照する。
このデータはフランスにおける出生を1件に至るまできめ細かくカバーしたデータであり、上述の論文の出生率や移民比率といった
比率に圧縮されたデータから議論するものとは一線を画す質のものである。また、移民-非移民と荒っぽく分けたデータではなく、
移民どうしの子-移民と非移民の子-非移民どうしの子と細かく見ることができ、移民もEU内とEU外を分けて見ており、
より詳細な分析も可能である。そしてこのデータからは、単純ではない像が浮かび上がる。

 この統計ではフランスの全出生を

・フランス国籍どうしの子(1997以前の統計の父親不明はほぼここ)
・フランス国籍と移民の子
・移民どうしの子

の三つに大まかに区分している。これを1965〜2015について、出生数を積算棒グラフとしてプロットしたものが以下の図表である。

http://crossacross.org/ky/?c=plugin;plugin=attach_download;p=Parents+of+newborns+in+France;file_name=newborns_france3.png
フランスの出生数

 1995年から2000年にかけてフランス国籍どうしの子、移民どうしの子がともに増えている。2000年以降はフランス国籍どうしの子は
横ばいで、フランス国籍と移民の間の子のみが増加しており、その比率も2000年には8.6%であったものが2010年には13.3%まで
増加しており、この時期のフランスにおける出生数の増加は「フランス国籍と移民の間の子」の増加によるものである、
ということが読み取れる*5。



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